【カジュアル面談】とは?
カジュアル面談とは
カジュアル面談とは、その名の通り「カジュアルにお互いを知り合うことができる」・「本面接(選考)の前にリラックスして相互理解を深められる」言わば「個別の企業説明会」のような場です。「カジュアル“面接”」と間違いやすいので、「面談」なのか「面接」なのか、よく理解することが必要です。
服装も、スーツではなくビジネスカジュアルで臨んでいただき、応募者の自室でのオンラインや、カフェなど対面で行うこともあります。
【カジュアル面談・発展の背景】
これまで「カジュアル面談」といえば、エンジニア業界、IT業界、クリエイティブ業界など自由な社風をアピールしている企業で「転職者」に対して盛んにおこなわれているイメージがありましたが、昨今では上場企業での主催、新卒者向けへのカジュアル面談も増えてきました。
その理由の一つとして、世界ダントツとも言われている「日本の少子高齢化」が挙げられます。
2040年には労働人口の減少が加速し、20年前と比べて81%⋆に落ち込み、【超・人手不足】の状態を引き起こすことが予測されています。その波は現時点でもじわじわと現れており、昔は求人を出せばすぐに補充できた人材が、現在では、離職者の穴を何か月経ってもカバーできない、という事態がすでに深刻な状況として現れています。
そのため、一度でも自社に興味を持ってくれた候補者を取り逃さず、より条件のよい他社に流れる前に前向きな検討をしてもらう、という意味でも【カジュアル面談】で自社の強みを効率的にアピールし、少ない候補者の中から採用率を上げておく必要がある…いわば「青田刈り」的な意味合いもあるのです。
さらには、文末にも挙げている【アフターコロナの採用について】でも触れたネットを利用した流入経路では、転職目的で複数の企業を検討している中途採用の応募者・リファラル採用・スカウト採用など「応募しようかどうか迷っている」というように、応募者側に強い志望順位がない場合に、企業への志望度を底上げする意図も含めて行われます。
(⋆国立社会保障・人口問題研究所の推計による)
【面接とカジュアル面談の違い】
上記で紹介したように、いずれも求職者が積極的に企業の求人公募に応募するのではなく、「相性が合う会社なら転職したい」「まずはどんな会社か詳細を知りたい」というように、どちらかというと、企業側が求職者に自社の魅力をアピールし、それに対して求職者側が受け身で参加していることが大きな違いになります。
以下は、本選考である面接とカジュアル面談の大きな違い7点です。
1.合否判断を行わない:
本選考とカジュアル面談の最大の違いの一つに、「合否判断を行わない」ことが挙げられます。理由としては、求職者がまだ応募するかどうかを迷っている状態であること、企業が求職者へアピールし、オファーする場でもあるため、求職者の志望度を下げないためにも、この場での合否判断は行わないようにします。
2.履歴書・選考書類不要:
こちらも上記同様、まだ正式な書類を受け渡す段階ではないため、行いません。
3.服装自由:
お互いにリラックスした雰囲気で行うために、あえてスーツ着用は求めません。
とはいえ、あくまでも常識の範囲でのビジネスカジュアルとしている場合が多いので、企業側が候補者の常識を感覚的に計り知る目的があります。
4.企業から応募者へのアピールが可能:
説明会とは違い、候補者が関心を持っているポイントを絞って、自社の魅力を直接アピールできる貴重な機会です。候補者に効果的にアピールできるように、事前に下記のようなポイントを絞って整理しておきましょう。
・自社のビジネスモデル
・社風・文化 ・各種定量情報(平均年齢・男女比・リモートワークの比率・残業時間など) ・募集部署の体制・人数 ・役割とミッション・やりがい ・得られるスキル・経験 ・キャリアパス |
5.応募の意思は候補者にゆだねる:
カジュアル面談は「応募者が自社について十分理解できた」という目標が達成できれば完了です。それ以上のことを面談の場で求めすぎると、勧誘のように受け止められることもあり得ます。飽くまでも候補者の自由意思での応募を促しましょう。
6.志望理由を問わない:
カジュアル面談の応募者は、「まずは話を聴きに行く」という立場で参加しているため、志望理由を用意していない状況です。この状態で、志望理由を聞いてしまうと「カジュアル面談と聞いていたのに、本選考のような感じだった」と応募者側に不信感を与えてしまいます。
そのため、カジュアル面談では志望理由を伺わないということを重視しています。
7.応募者からの質問に細やかに答える:
企業から応募者を見極める「質問」はなるべく行わず、応募者から企業に対しての質問を見定める場を作りましょう。企業から候補者に一方的な質問をすると、応募者は身構えてしまうので控えていただき、あくまで相互理解の場である、ということを理解しあうようにしましょう。
【カジュアル面談のメリット】
カジュアル面談のメリットその1: ミスマッチを防ぐ
相互理解を深め、「入社してから想像と違った」ということを防ぐ意味もあります。
カジュアル面談のメリットその2: 気軽にお互いを知れる
まだ応募しようかどうか迷っている候補者が、カジュアル面談を行うことで積極的に選考に臨んでもらえるチャンスを与えられます。
カジュアル面談のメリットその3: 多くの人材に直接アプローチできる
本選考に応募する求職者が少ない(もしくは前年より落ちている)状況で、「まずは自社を知ってもらうことから始める」という意図で面談を開催でき、応募者側としては採用担当者との直接のつながりができるため、自社を選んでくれる確率が上がります。
【カジュアル面談の活用方法】
カジュアル面談の活用方法1:通常の面接と組み合わせる
当然のことですが、カジュアル面談は合否の判定を行わないという主旨で行われるものです。
なんとなく、で興味を持った求職者へ効果的な自社アプローチを行い、お互いに「この会社なら」「この人なら」と、納得がいった段階で、面接へのオファーを行います。
カジュアル面談の活用方法2:優秀な人材へのアプローチ
選考は行わない、ということですが、優秀だと思われる人材へは、積極的にアプローチして構いません。面談後に本選考への参加の促しを行い、追加面談や別社員との面接日程を調整するような明確なリアクションを取りましょう。
カジュアル面談の活用方法3:プラットフォームの利用
後に述べる「アフターコロナの採用について」でも詳しく述べますが、昨今は「カジュアル面談専用のプラットフォーム」が開発されています。こちらは、例えば2020年夏に立ち上がり、2022年には2億円近い資金調達を行った「ミーティ(Meety)」がその代表格ですが、オンライン採用ツールを積極的に活用して採用コストを大幅に削減することも可能です。
注意点としては、
*選考の堅苦しい雰囲気をつくらない
*応募者の知りたいことに応える形で
*企業のアピールを効果的に行い、採用につなげる
ということが、大きなポイントです。
カジュアル面談での質問集
「面接とカジュアル面談の違い」でも触れたとおり、まずは会社の状況を詳しく知りたい、という受動的な応募者に対して、企業からの根ほり葉ほりの質問は控えるようにしましょう。
イメージとして、簡単な自己紹介やプロフィールシートなどの資料があれば、予備知識を得ておき、自社にとって重要度が高いと思われる質問を、面接と同じように質問形式で聞くのではなく、飽くまでも“さりげなくヒアリング”といった感じで、会話の延長で尋ねるようにしましょう。
また、面談が始まってからいきなり質問することも避けましょう。
アイスブレイクでこなれ、候補者からの質問をいくつか受け答えし、面談も盛り上がってきたころ合いで以下のような質問を、最初は1~2点、控えめに入れていきます。
1.経歴
「これまでの職務経歴について、簡単に教えていただけますか?」
「〇〇の仕事には、何年ほど携わられたのですか?」
「〇〇の部署では、マネジメント(自社が期待すること)も経験されたのでしょうか?」
「前職で担当されていた業務について教えてください」
「○○の経験は何年ほどありますか?」
「自社内ではどのようなメンバーと仕事をしていましたか?(関わっていたメンバーの数や役割)」
2.就職・転職状況
「転職(就職)活動はいつから始めましたか?」
「なぜ、今転職をしようと考えたのですか?」
「前職の同僚や後輩たちは○○さんの転職についてどう感じていると思いますか?」
3.企業を選ぶ時に重視すること
「自由に選べるとしたら、どんな会社で働きたいですか。
「会社選びで重視することを教えてください」
「お仕事上では、どういった分野に興味・関心をお持ちですか?」
4.スキルについて
「先ほどの経験で得られたスキルについてお教えいただけますでしょうか?」
「素晴らしいスキルをお持ちですね。今後も活かしていきたいとお考えですか?」
「○○に関する知識はもっていますか?」
5.転職理由
「前職で、最もストレスに感じたことは何ですか?」
「現在の仕事をする上で、感じている課題やモヤモヤしている点はありますか?」
「転職しようかなと考えたきっかけは何でしたか?」
6.キャリアプランと将来の夢
「3年後(もしくは5年後)のビジョンを教えてください。」
「将来の夢や目標を教えてください」
7.自社に対しての課題
「当社のイメージはどんな感じですか?」
「当社について、知りたい事はなんですか?」
「当社でどのような経験、スキルを身に着けたいですか?」
「当社の志望度は何番目ですか?また、その理由は?」
「当社に興味を持った理由を教えてください」
「当社では具体的にどんな業務に携わってみたいですか?」
「当社の募集で興味・関心を持った点はございますか?」
8.職場環境に求めるもの
「職場環境で重視する点は何ですか?」
「ご自身にはどんな職場環境が合っていると思いますか?」
「周りがどのような環境や社員だと、ご自身の本領を発揮しやすいですか?」
候補者が緊張したり、答えに窮するようであれば「今のところの考えで結構ですよ」「具体的でなくても構いませんよ」などフォローを入れると良いでしょう。
アフターコロナの採用について
アフターコロナといえど、長期間にわたるテレワーク・オンライン選考への慣れが「以前の生活様式には戻りたくない」という意識を生み出しています。
コロナ以前と比べ、オンラインでの採用が格段に発展したということは特筆すべき事項でしょう。
また、求職者側も、今までの【公募採用】【対面面接】よりも、以下のような間接的経路での応募の形式で参加することが多くあります。ここでは、オンラインを主体とした【間接応募】の4つの主な形式をご紹介しましょう。
1.スカウト採用:
「ダイレクトリクルーティング」とも呼ばれますが、実績のある転職者(候補者)に、企業が直接アプローチをする採用方法です。
2.リファラル採用:
今や企業の6割が取り入れているという「リファラル採用」は、社員からの紹介・推薦で応募者を採用する手法です。すでに候補者を紹介している社員が企業内にいるので、離職率の低い候補者を確保できるメリットがあります。
3.人材マッチングサービス(プラットフォーム)採用:
サイトやアプリを通して「人手がほしい企業」と「求職している人材」がお互いに納得のいく条件でマッチングするサービスです。担当者の仲介のある「人材派遣」「エージェントサイト」、仲介のない「クラウドソーシング」がその代表格です。
4.ウェビナー・ミーティ―・ミートアップ採用:
「ウェビナー(Webinar)」は「WEB」と「セミナー」を合わせた造語で「オンラインセミナー」と同義語です。従って、Zoomアプリを使ったウェビナーはZoomウェビナーと言います。
一方、登壇者が話すことを聴講するウェビナーに対し、ミーティ(Meety)ミートアップ(Meetup)は相互コミュニケーションとして、フランクな交流の場で全員1つの話題に対して話すスタイルです。特に、ミーティはカジュアル面談専用のプラットフォームとして台頭してきたことで知られてきています。
上記のように、さまざまなエントリーポイントから求職者が企業に興味を持ってもらい、実際の企業のスタンスを知ってもらうための「カジュアル面談」につなげていきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
日本がすでに迎えている「超・少子高齢化」「超・人手不足」の時代に、「自社についてまだよくわからない」「転職の意思が明確ではない」候補者を競合他社から先んじて取り込むための【カジュアル面談】は、今のうちから企業が取り入れておくべきスマートな手法と言えるでしょう。
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