はじめての方でも分かりやすい 面接官のための質問設計・評価基準ガイド:採用面接のやり方・質問一覧完全マニュアル

採用ノウハウ

はじめに

初めて面接官を担当される方、面接での質問の仕方に悩んでいらっしゃる方へ。
このマニュアルでは、面接官として知っておきたい質問のポイントや、評価の考え方についてご紹介します。
また、よく使える質問例や、避けたほうがよい質問についても解説していますので、
面接官としてのスキルアップにお役立てください。

面接官の基本的な心得とやり方

コンピテンシーベース面接の質問設計

面接では、応募者の方の「過去」「現在」「未来」という3つの視点から見ていくとよいでしょう。
過去の行動実績からは、具体的な対応力や、経験からの学びの姿勢、チームでの活躍ぶりを確認できます。
現在の考え方からは、価値観や課題解決の視点、今後の展望について知ることができます。
将来への意欲からは、成長への意欲や組織への貢献意識、キャリアプランを理解することができます。

面接での効果的な質問例と評価ポイント

過去の実績を掘り下げる面接質問例

代表的な質問として、「これまでで最も印象に残っている課題とその解決方法について教えていただけますか?」があります。
この質問を通じて、問題への向き合い方、解決に向けた考え方、周りの方との協力関係、そして経験からの学びと成長を見ることができます。

現在の考え方を探る面接質問

業界への理解を確認する質問として、「業界の現状についてどのように見ていらっしゃいますか?また、課題解決のアイデアなどございましたら、教えていただけますか?」が効果的です。
回答から、業界への関心度や分析力、問題発見能力、創造的な発想力、ビジネス感覚を確認できます。

将来への展望を確認する採用面接質問

キャリアビジョンについてお聞きする際には、「今後のキャリアの中で、どのような価値を提供していきたいとお考えでしょうか?」といった質問が効果的です。
この質問を通じて、将来への展望の具体性、成長意欲、組織との価値観の共有、そして長期的な可能性について理解を深めることができます。

面接官のタブーとNGポイント

面接での質問タブー事項

面接の場では避けたほうが良い質問や態度があります。
例えば、結婚予定や家族構成などプライバシーに関わる質問、政治や宗教に関する質問、差別的な質問などは控えましょう。
また、誘導的な質問や威圧的な態度も、応募者の方の本質を理解する妨げになってしまいます。

面接評価における注意点

評価の際には、第一印象だけで判断せず、また個人的な好みで判断することは避けましょう。
一つの回答だけで全体を判断するのではなく、様々な角度から総合的に見ていくことで、より公平な評価ができます。

効果的な面接進行のためのマニュアル

面接の基本的な流れ

良い面接にするためには、準備と進行が大切です。
まずは応募者の方にリラックスしていただける雰囲気づくりから始めましょう。
その後、徐々に本質的な対話へと進めていきます。質問をするだけでなく、しっかりとお話を伺う姿勢を大切にすることで、応募者の方の本当の姿が見えてきます。

面接技法の実践ポイント

STAR法を活用する際は、「具体的な状況」「与えられた課題」「取った行動」「得られた結果」という流れを意識しながら、自然な会話の中で質問を展開していきましょう。
開かれた質問を上手く使うことで、応募者の方の考えや経験をより深く理解することができます。

実践で使える面接質問一覧

基本的な質問事項

「当社を志望された理由を具体的に教えてください」
「前職でどのような業務を担当されていましたか?」
「転職を考えられた理由を教えてください」
「学生時代に力を入れて取り組んだことは何ですか?」
「自己PRをお願いします」

キャリアビジョンに関する質問

「当社でどのようなキャリアを築きたいとお考えですか?」
「5年後、どのようなポジションで活躍されていたいですか?」
「今後伸ばしていきたいスキルは何ですか?」
「理想の働き方について教えてください」
「将来のキャリアにおいて、特に重視していることは何ですか?」

リーダーシップ・チームワークに関する質問

「チーム内で困難な状況に直面した際、どのように対処しましたか?」
「メンバー間で意見が対立した際、どのように解決に導きましたか?」
「後輩の育成で心がけていたことは何ですか?」
「チームの成果を高めるために、どのような工夫をされていましたか?」
「プロジェクトでリーダーシップを発揮した具体例を教えてください」

問題解決力・実行力を確認する質問

「仕事で最も困難だった課題とその解決方法を教えてください」
「失敗経験から学んだことは何ですか?」
「予期せぬ問題が発生した際、どのように対処しましたか?」
「納期に間に合わないと判断した際、どのような行動を取りましたか?」
「業務改善で成功した経験について教えてください」

スキル・専門性に関する質問

「これまでの経験の中で、最も専門性を発揮できた場面は?」
「保有資格を実務でどのように活用されていましたか?」
「業界動向についてどのような情報収集を行っていますか?」
「得意分野をどのように伸ばしてきましたか?」
「新しい技術やトレンドにどのように対応していますか?」

コミュニケーション力を確認する質問

「社内外の関係者との調整で工夫していたことは何ですか?」
「上司や同僚からどのような評価を受けていましたか?」
「クライアントとの信頼関係構築で意識していたことは?」
「部署間の連携で心がけていたことは何ですか?」
「難しい要望を受けた際、どのように対応しましたか?」

ストレス耐性・メンタリティに関する質問

「プレッシャーを感じる場面で、どのように対処していますか?」
「モチベーションを保つために、どのような工夫をしていますか?」
「仕事とプライベートのバランスをどのように取っていますか?」
「長時間労働が続いた際、どのように健康管理をしていましたか?」
「挫折を経験した際、どのように乗り越えましたか?」

会社・業界理解度を確認する質問

「当社の事業環境について、どのように分析されていますか?」
「当社の強みは何だとお考えですか?」
「業界の課題についてどのように考えていますか?」
「当社の企業理念について、どのように考えますか?」
「競合他社との違いについて、どのように捉えていますか?」

面接準備チェックリスト

面接に臨む前に、以下の点を確認しておくと安心です

応募者の方の書類は事前によく確認できましたか?
質問したい内容は整理できていますか?
評価シートは準備できていますか?
面接室の環境は整っていますか?
時間配分は確認できていますか?

まとめ:面接官としての成長に向けて

面接官としての経験を重ねていくことで、自然と面接の質は向上していきます。
完璧を求めすぎることなく、応募者の方と誠実に向き合い、相互理解を深めていく姿勢を大切にしましょう。

このマニュアルでご紹介した面接のやり方や質問例、注意点などを参考に、ご自身らしい面接のスタイルを作っていっていただければと思います。
面接官としての経験を重ねながら、より良い採用面接が実現できることを願っています。

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