第二新卒・未経験者採用を成功させるコツ|即戦力にこだわらない採用戦略のすすめ

採用ノウハウ

はじめに

💭「経験者しか採れない」
💭「即戦力が欲しいが、応募が来ない」

採用活動をしていると、こんな壁にぶつかることがあります。
求人を出しても応募が集まらず、経験者採用にこだわり続けた結果、何ヶ月もポジションが埋まらない——
そんな状況に陥っている企業は少なくありません。

2026年現在、中小企業の採用は構造的な人手不足と大手企業との採用格差により、厳しい局面が続いています。
従業員300名未満の企業では、同規模の企業への就職を希望する学生1人に対して6.5倍の求人がある計算です。
そのような環境の中で、経験者・即戦力にだけこだわる採用戦略は、じわじわと限界を迎えつつあります。

そこで注目したいのが、第二新卒・未経験者採用という選択肢です。
「育てる手間がかかるのでは」と敬遠されがちなこのターゲット層ですが、正しいアプローチをとれば、採用力を大きく引き上げる切り札になります。
本記事では、第二新卒・未経験者採用のメリットと、成功させるための具体的なポイントを解説します。

そもそも「第二新卒」「未経験者」とは?

記事を進める前に、用語を整理しておきます。

第二新卒とは、新卒入社した会社を3年以内に退職し、転職活動中の求職者のことです。
大卒者であれば、おおよそ22〜26歳前後の層が該当します。
社会人経験はあるものの、特定の職種・業界への依存度が低く、柔軟性が高いのが特徴です。

未経験者は、採用するポジションに関する業務経験がない求職者全般を指します。
新卒はもちろん、異業種からの転職者、ブランクのある方なども含まれます。

「未経験者」には大きく3つのパターンがあります。
業界未経験(他業界からの転職)
・職種未経験(同業界内での職種変更)
そして、
両方未経験(全く異なるフィールドからの転職)です。

採用する際は、どのパターンの未経験者を対象にするかを明確にすることで、求人票の書き方や選考の評価基準がより具体的になります。

なぜ今、第二新卒・未経験者採用が注目されるのか

新卒採用が売り手市場化する中で、希望通りに新卒を採用できない企業も増え、通年で若手人材を確保できる第二新卒採用の重要性が高まってきました。

背景にはいくつかの構造的な変化があります。

① 即戦力採用の競争が激化している

経験者・即戦力人材は、大手企業も中小企業も同じマーケットで奪い合っています。
知名度・待遇・ブランド力で劣る中小企業が正面から戦っても、採用コストがかさむ割に成果が出にくいのが現実です。

② 第二新卒・未経験者は採用競争が比較的少ない

現在も多くの企業は新卒の一括採用や即戦力を重視した中途採用に注力している状況です。
そのため第二新卒者は年齢や経験が限られることから、企業間での採用競争が比較的少なく、採用成功率が高いといえるでしょう。

③ 人材不足を「育てる」で乗り越える企業が増えている

スキルのある中途人材は採用競争が厳しい業界も多く、未経験者を中心に採用活動を展開し、入社後に育成する方針に転換した企業も増えています。
採用の間口を広げることで母集団が拡大し、求める人材に出会える確率が高まります。

第二新卒・未経験者採用の5つのメリット

「育てる手間がかかる」というイメージの裏に、見逃せないメリットがあります。

メリット① ビジネスマナーの基礎教育が不要

第二新卒は社会人としての基本的なマナーやビジネススキルを身につけており、初歩からの研修が不要なケースが多く見られます。
配属後も企業文化への適応が早く、OJTの効率も高いため、教育にかかるコストや工数を抑えやすい点が魅力です。

新卒採用と比べると「一から教える」必要がなく、実務に入るまでのリードタイムを短縮できます。

メリット② 自社カルチャーに染めやすい

経験や実績だけでなく、将来的な活躍への期待も含めて評価しやすいことから、若手採用の有力な選択肢として注目されています。
前職での経験が浅い分、前の会社のやり方に固執しにくく、自社の文化・価値観を素直に吸収してもらいやすいという側面があります。

メリット③ 成長意欲が高い

独立行政法人労働政策研究・研修機構が実施した「第二新卒者の採用実態調査」では、4割ほどの企業が「職業観や労働意欲の面で、第二新卒者は新卒者より優れている」と評価していました。

自ら転職という選択をした第二新卒は、「次の環境でしっかりやり直したい」という意識が高い傾向があります。

メリット④ 通年採用が可能

第二新卒採用は転職扱いのため通年採用が可能です。
採用活動の開始時期や入社時期を企業側が自由に決めることができ、必要なタイミングで人材を補充できるメリットがあります。
新卒採用のように年間スケジュールに縛られず、欠員が出たときや事業拡大のタイミングに合わせて採用できます。

メリット⑤ 組織の若返りと年次構成の最適化

第二新卒採用を取り入れることで、新卒だけ、中途だけに偏らない、バランスの取れた若手層の年次構成を築きやすくなります。
新卒一括採用に依存した採用モデルでは、退職などで年次によって人数に偏りが出た場合に、中堅層が不足するリスクがあります。

第二新卒・未経験者採用を成功させる6つのポイント

メリットがある一方で、採用の進め方を間違えると
思ったより定着しなかった」「育成に時間がかかりすぎたという結果になることもあります。
成功させるための具体的なポイントを6つ紹介します。

ポイント① 採用要件を「必須条件」と「育成前提の条件」に分ける

即戦力採用の選考基準をそのまま第二新卒・未経験者採用に当てはめると、「誰も通らない」という事態になります。
採用要件は「必須条件」「育成前提の条件」に分けることが効果的です。

たとえば「営業経験3年以上」を必須としていたポジションであれば、
「コミュニケーション力があり、PDCAを回せる方(業界・職種未経験可)」に言い換えることで、応募の間口が広がります。
どこまでは入社前に必要で、どこからは入社後に育てられるかを整理することが、採用要件設定の出発点です。

ポイント② 求人票に「入社後の育成イメージ」を明記する

未経験者が応募をためらう最大の理由は「入社してから本当にやっていけるか」という不安です。
「未経験歓迎」という言葉の背景にある「段階的な研修ステップ」や「業務負担を軽減するための設備・ツールの導入」など、入社後の不安を解消する具体的な根拠を提示することが重要です。

求人票には「入社後3ヶ月の研修内容」「先輩社員がOJTでサポートする体制がある」「資格取得支援制度がある」といった育成の仕組みを具体的に記載することで、未経験者が「ここなら頑張れそう」と感じやすくなります。

ポイント③ カジュアル面談・職場体験を選考に取り入れる

未経験者や第二新卒は、「どんな職場か」「どんな人が働いているか」を特に気にする傾向があります。
選考の前段階にカジュアル面談や職場見学の機会を設けることで、候補者の不安を解消しながら、入社後のミスマッチを防ぐことができます。

特に入社後のミスマッチを防ぐため、最終選考で数日間の職場体験を実施し、応募職種の先輩従業員と一緒に業務を体験し、入社後を具体的にイメージできるよう工夫している企業もあります。

ポイント④ 退職理由の「深掘り」を丁寧に行う

第二新卒の選考で特に注意したいのが、前職の退職理由の確認です。表面的な理由だけを聞いて終わりにしてしまうと、「うちでも同じ理由で辞めてしまう」というミスマッチが起きやすくなります。

「なぜその会社に入ったか」「何がきっかけで転職を考えたか」「今度はどんな環境で働きたいか」という流れで丁寧に掘り下げることで、ミスマッチの要因を事前に見極めることができます。
転職理由が「前職への不満だけ」なのか、「自分のやりたいことが明確になった」のかを確認することが重要です。

ポイント⑤ 接触回数を増やし、志望度を高める

第二新卒・未経験者は、複数の会社に同時応募していることが多く、選考中の不安も大きいです。
接触回数を増やし、志望度を高めることが効果的です。
選考中に現場社員との交流機会を設ける、面接後にフィードバックを伝える、疑問点に丁寧に答えるなど、候補者との関係を積み重ねていくことが内定承諾につながります。

ポイント⑥ 入社後の受け入れ体制を整えてから採用する

採用して終わりではなく、入社後にしっかり定着・活躍してもらうためのオンボーディング設計が不可欠です。
直属の上司以外に相談できるメンター(先輩社員)を配置するなど、全社で新卒・若手を歓迎し育てる空気感を作ることが重要です。
教育を現場任せにせず、会社全体でサポートする仕組み作りが定着の鍵を握ります。

「採用したはいいが、受け入れ体制が整っていなかった」という状況は、早期離職の大きな原因になります。
採用活動と並行して、育成の仕組みを整えておくことが、長期的な採用成功への近道です。

こんな企業に特におすすめ

第二新卒・未経験者採用は、すべての企業に向いているわけではありません。
以下に当てはまる企業は、特に相性がよいと言えます。

・経験者採用を続けているが、なかなか応募が集まらない
・採用予算が限られており、経験者への高い報酬を出しにくい
・社内に育成の仕組み・研修体制がある、または整備できる
・長期的な視点で人材を育てていきたい
・若手が少なく、組織の年齢バランスを整えたい

逆に、「すぐに即戦力として動いてもらわなければ現場が回らない」という急を要する欠員補充の場合は、経験者採用と組み合わせながら検討するのが現実的です。

まとめ

即戦力・経験者にこだわり続けることが、採用の選択肢を狭めている場合があります。
採用市場が厳しい今だからこそ、「育てる採用」という視点を持つことが、中長期的な採用力の強化につながります。

本記事でご紹介した第二新卒・未経験者採用を成功させる6つのポイントをまとめます。

1.採用要件を「必須条件」と「育成前提の条件」に分ける
2.求人票に「入社後の育成イメージ」を明記する
3.カジュアル面談・職場体験を選考に取り入れる
4.退職理由の「深掘り」を丁寧に行う
5.接触回数を増やし、志望度を高める
6.入社後の受け入れ体制を整えてから採用する

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