「採用にコストをかけられない」という悩みは、工夫で乗り越えられる
求人媒体への掲載費、人材紹介会社への成功報酬、スカウトツールの月額費用…。
採用活動にかかるコストは、年々じわじわと上がっています。
「採用にお金をかけられない」という悩みは、多くの中小企業・スタートアップに共通しています。
しかし工夫次第で、予算が限られていても採用力を大きく引き上げることは十分に可能です。
採用がうまくいっている中小企業やスタートアップを見ると、必ずしも潤沢な予算をかけているわけではありません。今回は、実際に採用現場で効果が出ている無料・低コストの採用施策を7つ、具体的な方法とともに紹介します。
方法① 無料の求人プラットフォームをフル活用する

まず押さえておきたいのが、無料で使える求人プラットフォームです。代表的なのは以下の3つ。
engage(エンゲージ)
エン・ジャパンが運営する無料の採用支援サービスです。
求人掲載はもちろん、会社の雰囲気や社員インタビューなどを掲載できる「採用ページ」を無料で作成できます。
Googleしごと検索との連携もあり、検索経由での流入が期待できるのが強みです。
Googleしごと検索
求人情報がGoogle検索の結果に表示される仕組みです。
engageなどの対応済みプラットフォームを使えば、特別な設定なしにGoogleしごと検索へ掲載されます。
自社サイトから直接掲載する場合は、構造化データの設定が必要になることもありますが、プラットフォームを経由すれば手間なく対応できます。
ハローワーク(公共職業安定所)
費用は一切かからないにもかかわらず、掲載数・利用者数ともに国内最大級の求人プラットフォームです。
かつては中高年向けのイメージもありましたが、第二新卒・未経験歓迎の求人への応募も多く見られ、幅広い年齢層が利用しています。
地域密着型の採用や、第二新卒・未経験者の採用には特に相性がよい媒体です。
これらを組み合わせて活用することで、広告費ゼロでも一定の母集団を形成することが可能です。
方法② 自社の採用ページを「読まれるコンテンツ」に育てる

採用ページは会社概要と募集要項だけ、という企業はまだ多いのが実情です。
しかしここに少し手を加えるだけで、応募数・応募の質の両方が大きく変わります。
採用ページは、候補者が応募を決める前に必ずと言っていいほど確認する場所。
具体的に盛り込みたいのは以下のようなコンテンツです。
・社員インタビュー:入社前のイメージと入社後のギャップ、日々の仕事のリアルな話
・一日のスケジュール:実際の業務イメージを持ってもらうための時系列コンテンツ
・代表・マネージャーからのメッセージ:会社が何を大切にしているかを伝える
・よくある質問(FAQ):候補者が抱きやすい疑問を先回りして解消する
制作費をかけなくても、スマートフォンで撮影した写真と社員の言葉だけで、十分に魅力的なページは作れます。
大切なのは「きれいに見せること」より「リアルを伝えること」です。
方法③ 社員紹介制度(リファラル採用)を仕組み化する

リファラル採用とは、社員に知人・友人を紹介してもらう採用手法です。
求人媒体への掲載費も人材紹介会社への手数料も不要で、かつ採用した人材の定着率が高いことで知られています。
「うちはリファラルをやっているが、なかなか紹介が集まらない」という声もよく聞きます。
うまくいかない会社に共通しているのは、「紹介してほしい」と口で伝えるだけで、仕組みになっていないことです。
効果的なリファラル採用に必要なのは、次の3つです。
1.紹介のインセンティブを設ける
採用に至った場合に社員へ謝礼を支払う制度を作る。
金額は企業規模や採用ポジションによって異なりますが、数万円程度のインセンティブを設けている企業が多く見られます
2.紹介しやすい環境を作る
「どんな人を紹介すればいいか」を具体的に社員に伝える
3.定期的に呼びかける
制度を作っても告知しなければ忘れられる。月1回のリマインドを習慣化する
リファラル採用は、社員が「この会社を友人に勧められる」と思っているかどうかが前提になります。
日頃からの社内満足度の向上とセットで取り組むことが、長期的な成果につながります。
方法④ SNSを採用チャネルとして活用する

採用活動におけるSNSの役割が年々大きくなっています。
特に20〜30代の求職者は、企業を調べる際にSNSをチェックすることが多く、「採用ページよりもSNSの投稿のほうが会社の雰囲気が伝わった」という声も珍しくありません。
採用に活用しやすいSNSの特徴は以下の通りです。
X(旧Twitter)
テキスト中心で気軽に発信しやすい。採用担当者や経営者個人のアカウントで「中の人」として発信するスタイルが、特に若年層に響きやすいです。
Instagram
ビジュアルで会社の雰囲気を伝えるのに向いています。
オフィスの様子、社員の日常、社内イベントの写真などを発信するアカウントは、候補者の応募意欲を高める効果があります。
LinkedIn
ビジネスパーソン向けのSNSで、特にエンジニアや管理職など特定の職種への採用に向いています。
スカウト機能は有料プランが中心ですが、プロフィールの充実や投稿の発信を通じた採用ブランディングは無料で行えます。
SNSは即効性があるわけではありませんが、継続的に発信することで採用ブランドを育てる効果があります。
「フォロワーが少ないから意味がない」と思わず、まず発信を続けることが大切です。
方法⑤ 求人票の「言葉」を見直す

採用にかけるお金を増やす前に、今ある求人票の内容を見直してみてください。
求人票の書き方ひとつで、応募数が大きく変わることがあります。
応募が集まらない求人票によくある特徴があります。
・仕事内容が「〇〇業務全般」と曖昧
・求める人物像が「明るく元気な方」「チームワークを大切にできる方」など抽象的
・給与・待遇の情報が少なく、候補者が不安を感じる内容
改善のポイントは「具体性」です。
・仕事内容:一日の業務の流れや、入社後最初の3ヶ月でどんな仕事をするかを書く
・求める人物像:「前職で〇〇の経験がある方」など、具体的なスキル・経験に落とし込む
・給与:可能な限り幅を狭めて記載する(「200〜400万円」より「250〜300万円」のほうが安心感を与える)
・職場の雰囲気:「アットホームな職場」のような抽象的な表現より、具体的なエピソードで伝えるほうが候補者の心に残ります
求人票の改善はお金が一切かかりません。それでいて、採用結果に直結する施策のひとつです。
方法⑥ 選考プロセスのスピードを上げる
採用コストとは直接関係がないように思えますが、選考スピードの改善は採用力に大きく影響します。
求職者が複数の企業と同時に選考を進めている状況では、内定を出すまでのスピードが遅い企業から順に候補者を失っていきます。
「書類選考の結果連絡に1週間かかる」「面接から内定まで1ヶ月以上かかる」という状況は、採用予算をいくら増やしても解決しない問題です。
具体的に見直すポイントは以下です。
・応募者への初回連絡を当日中に行う:翌日以降になるだけで候補者の熱量が下がる
・書類選考の結果を3日以内に出す:選考が止まっている時間を最小化する
・面接から内定までのステップを減らす:4次・5次面接は本当に必要か見直す
・面接日程の調整をスムーズにする:日程調整ツール(Calendlyなど無料ツールあり)を活用する
選考スピードの改善は、コストゼロで今すぐ取り組める施策です。
方法⑦ 採用広報として「会社のストーリー」を発信する
採用広報とは、採用を目的としたコンテンツを継続的に発信し、自社の認知度・魅力を高める活動のことです。
「うちみたいな小さな会社のストーリーなんて、誰が読むんだろう」と思う方もいるかもしれません。
しかし実際には、大企業より中小企業やスタートアップのほうが、ストーリーの「解像度」が高く、候補者の共感を得やすいという側面があります。
発信するコンテンツのアイデアとして、たとえば以下のようなものがあります。
・創業ストーリーや代表の想い
・社員が入社を決めた理由・入社後に感じたこと
・会社が大切にしている価値観や文化
・失敗や挫折を乗り越えたエピソード
・日々の業務の中での気づきや学び
noteなどのブログサービスを使えば、無料で記事を公開できます。
WantedlyはストーリーなどのSNS機能は有料プランが中心ですが、まずはnoteやX(旧Twitter)など無料で使えるツールから始めるのがコストを抑えた現実的な方法です。
すぐに結果が出るものではありませんが、発信を続けることで「この会社のこと、前から知っていた」という候補者を増やすことができます。
採用ブランドは、一朝一夕には作れません。だからこそ、早めに始めることに意味があります。
まとめ|採用予算がなくても、できることはたくさんある

今回ご紹介した7つの施策をまとめると、以下の通りです。
1.無料の求人プラットフォームをフル活用する(engage・Googleしごと検索・ハローワーク)
2.自社の採用ページを「読まれるコンテンツ」に育てる
3.社員紹介制度(リファラル採用)を仕組み化する
4.SNSを採用チャネルとして活用する
5.求人票の「言葉」を見直す
6.選考プロセスのスピードを上げる
7.採用広報として「会社のストーリー」を発信する
これらはすべて、今日から取り組み始められるものばかりです。
すべてを一度にやろうとする必要はありません。
まず自社の採用課題に最も近いものから一つ選んで、実践してみてください。
採用力は、予算ではなく「工夫と継続」で育てるものです。
i-Recruitingでは、採用予算が限られている企業の採用支援も数多く手がけています。
「何から手をつければいいかわからない」という段階からでも、ぜひお気軽にご相談ください。



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