内定辞退を防ぐために人事ができること|内定後フォローの具体策まとめ

採用ノウハウ

はじめに

苦労して採用活動を進め、ようやく「この人に来てほしい」と思える候補者に内定を出した。
ところが数週間後、「他社に入社することにしました」という一言が届く。

人事担当者であれば、誰しも一度は経験したことがある場面ではないでしょうか。

内定辞退は、採用活動にかけた時間・コスト・関係者の労力が一気に水の泡になる、非常に痛手の多い出来事です。しかも近年、その深刻さは増すばかりです。

マイナビの調査によると、2026年卒採用において内定辞退者が5割以上にのぼった企業は41.5%
2019年卒時点の21.1%と比べて2に増えており、売り手市場が続く中、
学生が複数の内定を持って比較検討するのが当たり前の時代になっています。

もはや内定辞退は「起きるかもしれないリスク」ではなく「前提として対策すべき課題」です。
本記事では、内定辞退が起きる理由を整理した上で、今日から取り組める内定後フォローの具体策を解説します。

なぜ内定辞退は起きるのか?本音の理由を知る

対策を立てる前に、まず「なぜ辞退されるのか」を正確に理解することが重要です。
候補者が企業に伝える辞退理由の多くは「志望度の高い他社に決めました」という表面的なものです。
しかし、その裏にはもう少し具体的な本音が隠れています。

採用の現場で内定辞退者と面談した際に聞かれる本音は、
💭「人が合わない」
💭「働くイメージが持てない」
💭「見通しが立たない」
💭「内定は安心材料として持っておきたかっただけ」
の4つに集約されることが多いとされています。

つまり、内定辞退の多くは「他社がもっと良かった」というよりも、「自社への不安や疑問が解消されなかった」ことが根本原因です。
逆に言えば、内定後のフォローによってこれらの不安を丁寧に解消できれば、辞退を防げる可能性は十分にあります。

内定後フォローの全体像|「承諾前」と「承諾後」で分けて考える

内定辞退には大きく2つの段階があります。

内定を出したものの承諾をもらう前に辞退される「承諾前辞退」と、
一度承諾したにもかかわらず入社直前に辞退される「承諾後辞退」です。

承諾前の辞退対策のキーワードは「情報や機会の不足を補うこと」であり、
承諾後の辞退対策のキーワードは「入社までの不安を解消すること」です。
時期によって候補者の状態や不安の中身が変わるため、それぞれに合ったアプローチが必要です。

以下では、この2段階に分けて具体的な施策を紹介します。

【承諾前フォロー】内定を出してから承諾をもらうまでの動き方

① 内定通知は「あなたを必要としている」が伝わる内容にする

内定通知のメールや電話は、候補者にとって企業の第一印象を左右する重要な接点です。

画一的な定型文だけの通知は避け、選考中のやりとりを踏まえた内容や「なぜあなたを採用したいか」が伝わるメッセージを添えることが効果的です。
マイナビの調査によると、
複数の内定をもらった場合に通知のタイミングが意思決定に「影響する」と回答した学生は56.2%に
のぼっており、内定通知の速さも重要な要素です。

「内定おめでとうございます。詳細は書面をご確認ください」という一文だけでは、候補者の心は動きません。
選考を通じて感じた候補者の強みや、入社後に期待していることを具体的に伝えることで
「この会社は自分を本当に必要としてくれている」という安心感を生むことができます。

② 承諾期限を一方的に設定しない

内定承諾の期限についても注意が必要です。
「1週間以内にご回答ください」と一方的に期限を設けることは、候補者にプレッシャーを与え、かえって辞退を招くリスクがあります。

「ご不明な点があればいつでもご連絡ください」という姿勢を示した上で、
「いつ頃ご回答いただけそうですか?」と候補者の状況を確認しながら期限を決めるアプローチが、信頼関係を築く上で効果的です。

③ 現場社員との面談・懇談の機会を設ける

候補者が「働くイメージが持てない」という理由で辞退するケースに対して最も効果的なのが、実際に働いている社員との接点を作ることです。

経営者や若手の先輩社員とのコミュニケーションを通じて、候補者が抱える入社前の不安や疑問を解消することが重要です。
人事担当者からの説明よりも、現場で働く社員のリアルな言葉のほうが、候補者の心に届きやすいことが多いです

職種・年代が近い社員を選んでセットすることで、「自分が入社したらどんな日々を過ごすのか」が候補者の頭の中でより具体的にイメージできるようになります。

【承諾後フォロー】入社までの期間に「不安」を「期待」に変える

内定を承諾してもらった後も、安心するのは早計です。
承諾から入社までの期間、候補者の心境は揺れ動き続けています。
特に新卒採用の場合は、卒業論文・就職活動の終了・友人との比較など、さまざまな出来事が辞退の引き金になり得ます。

④ 定期的な連絡で「忘れられていない感」を作る

内定を承諾してもらった後に企業からの連絡がぱったり止まると、候補者は不安を感じ始めます。
「本当にあの会社に入って大丈夫だろうか」という気持ちが膨らみやすくなる時期です。

月に1回程度、近況を確認する連絡を入れるだけでも、候補者との関係を温め続ける効果があります。
「入社までに不安なことはありますか?」という一言を添えるだけで、
候補者は「ちゃんと気にかけてもらえている」と感じます。

⑤ 内定者同士が交流できる場を設ける

同期になる仲間との接点を作ることも、辞退防止に有効な施策です。
入社前から仲間ができると「この人たちと一緒に働くのが楽しみ」という感情が生まれ、入社への前向きな気持ちが育ちます。

LINEグループやSNSを活用して内定者同士が気軽にやりとりできる環境を作る方法もあります。
ただし、一般的なSNSでの会社とのつながりを嫌がる候補者もいるため、強制せず、参加は任意とするのが望ましいでしょう。

懇親会や食事会など、リアルで会える機会を作ることができれば、さらに効果的です。

⑥ 会社の「今」を伝えるコンテンツを発信し続ける

入社が近づくにつれて、候補者は「自分が入社する会社は今どんな状況なのか」を気にし始めます。
事業の動向、新しいメンバーの入社、社内の取り組みなど、会社の「今」を定期的に伝えることで、候補者は入社後の自分を具体的にイメージできるようになります。

さまざまな部署で働く社員の声を紹介することで具体的な業務内容や職場の雰囲気を伝えたり、現在進行中のプロジェクトや新しい取り組みを紹介することで、候補者が「この会社で働く自分」をより具体的にイメージできるようになります。

⑦ 入社前研修・課題で「つながり」を作る

内定者に定期的に課題を提出してもらい、採用担当者や現場社員が丁寧にフィードバックを返す方法も効果的です。特にコメントが手書きであったり、一言だけでなく丁寧なフィードバックが添えられていたりすると、内定者は「親身に考えてくれる会社だ」と感じ、入社の決断につながることがあります。

ビジネスマナーや業界知識など、入社後に必要な学習コンテンツを共有することも、候補者の「入社準備が整ってきた」という前向きな気持ちを育てる上で有効です。

内定後フォローで避けたい3つのNG行動

フォローの施策と同様に、やってはいけないことも押さえておきましょう。

NG① 連絡が事務的すぎる
書類の提出依頼や手続きの案内だけでは、候補者との関係構築にはなりません。
手続き連絡と並行して、候補者の状況や不安を確認する「人としての連絡」を意識してください。

NG② 過度な接触でプレッシャーをかける
「毎週電話がかかってきて怖かった」という声も実際にあります。
フォローの頻度が多すぎると、候補者にとって負担になります。
月に1〜2回程度を目安に、あくまで候補者のペースに寄り添うことが大切です。

NG③ 入社後の情報をほとんど伝えない
「入社したらどんな仕事をするのか」
「最初の配属はどこになるのか」
という情報が不足したまま入社日を迎えると、
入社後のギャップや早期離職につながるリスクが高まります。
内定後フォローの中で、入社後の具体的なイメージを丁寧に伝えていきましょう。

まとめ

内定辞退を防ぐための施策をまとめると、以下の通りです。

💡承諾前フォロー
・内定通知は「あなたを必要としている」が伝わる内容にする
・承諾期限を一方的に設定せず、候補者の状況に合わせる
・現場社員との面談・懇談の機会を設ける

💡承諾後フォロー
・定期的な連絡で「忘れられていない感」を作る
・内定者同士が交流できる場を設ける
・会社の「今」を伝えるコンテンツを発信し続ける

・入社前研修・課題で「つながり」を作る

内定辞退を完全にゼロにすることは難しい時代です。
だからこそ、内定を出してから入社日までの期間を「ただ待つ期間」ではなく
「候補者との関係を深める期間」として積極的に活用することが、採用成果を左右する大きなポイントになります。

i-Recruitingでは、内定後フォローの設計・運用も含めた採用支援を行っています。
「内定辞退が続いていて困っている」「フォローの方法を見直したい」という方は、

ぜひお気軽にご相談ください。

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